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劇団Studio Life「Romeo&Juliet (ロミオとジュリエット)」(5/10(木)〜6/5(火)紀伊國屋ホール)
上演記念トークイベント&製作発表
上演記念トークイベント&製作発表 劇団員写真

「ロミオとジュリエットは、地べたに足がついていない人間みたいに思える」
〜14タイトルのシェイクスピア作品を手掛ける舞台美術家	朝倉 摂
「私が訳したロミオとジュリエットは下町っぽいかもしれない」
〜37タイトルのシェイクスピア作品を手掛ける翻訳家		松岡 和子
「愛と憎しみ、生と死、対極の究極が描かれた作品を男優だけで力強く表現していきたい」
〜男優集団Studio Life唯一の女性であり、演出を手掛ける 	倉田 淳

2007年3月9日(金) シアターサンモールにて、華々しいキャリアを重ねながら今日の日本の演劇界を牽引する舞台美術家 朝倉摂さん、自らをシェイクスピアの広報担当と名乗り、37作品ものシェイクスピア劇を手掛ける翻訳家の松岡和子さんを迎え、Studio Life唯一の女性にして演出家である倉田淳の3名の女性がシェイクスピアをテーマにしたトークイベントを行いました。また、同時に劇団Studio Life(スタジオライフ)の次回公演「Romeo&Juliet (ロミオとジュリエット)」の製作記者発表会も行われました。

今年は、舞台だけでなく、アニメやTVドラマとシェイクスピア作品が数多く上演・上映されることが予定されています。 なぜ、日本人はシェイクスピア作品に惹かれるのか−。また、女性ならではのシェイクスピア作品への視点について、3人のトークイベントは盛り上がりを見せました。下記に、その一部をご紹介いたします。



なぜ、日本人はシェイクスピア作品に惹かれるのか? 松岡さん

松岡 :シェイクスピア作品は1つの作品の中に、人間ってなんて俗悪なものなんだろうって思う部分とまだまだ人間って捨てたものじゃないなぁて思う部分と、必ず二つ描かれているんですね。で、悲劇だと前者の要素が強く、喜劇だと後者の要素が強くなるんです。それがもうなんとも言えないバランスで配備されていて、そこがシェイクスピア作品の時代を超えた普遍的な面白さだと私は思うんですよね。
それから、どの作品のどの登場人物の中にも
“to be””not to be”の葛藤がある。ミニハムレットがたくさん出てくるんです。これも面白さの一つですね。


朝倉 :私も松岡さん同様、人間の根本が描かれているから、時代を超えて愛されるんだと思いますね。それに、国境も超えてしまう。結局人間が問題にすることなんて、そんなに変わらないんですよね


ロミオとジュリエットについて 〜女性からみたシェイクスピア作品〜

松岡:個人的には「夏の夜の夢」、「間違いの喜劇」に続く3作品めのシェイクスピア作品の翻訳で、本当にまだこうおずおずと手探りでやってた作品なんです。1番の発見っていうのはどんなにロミオとジュリエットっていうのが対等かっていうことです。これまでの翻訳ではとってもジュリエットがへりくだっているんですよ、ロミオに対して。やっぱりいいところのお嬢さんっていうのが男性と話すときには一応形はへりくだってってやることが両家の子女のお行儀の良さだっていう時代の慣習のようなものも背景にあったのでしょうけれども。でも、原文をみていかに対等か、男同士なら“俺・お前”みたいな親しさで、っていう感じです。ですから全体に言ってもしかしたら私のロミオとジュリエット、私が訳したロミオとジュリエットが一番下町っぽいかも知れないし、それから男の子たち、それから乳母といったおばさんたちの使う言葉は一番品が悪いかもしれません。そういうあたりの言葉の違いっていうのをとても意識させられたし、そういうことに気がつくっていうか、そこを意識して訳そうと思ったのはもしかしたらさっき倉田さんがおっしゃった私が女だからかもしれません。


朝倉さん

朝倉:もし、私が今、ロミオとジュリエットのセットを頼まれてやったら、もう蜂の巣みたいなね、もうラビリンスみたいなもので、出口なしみたいなねものを鉄骨かなんかでこう組んでね、それを行ったり来たりするみたいな今そういうことを考えますね。ロミオとジュリエットっていうのはなんか地べたにいない人間みたい見えるんですよ。なんかこう空間にある人間みたいなね。それはどういうことかっていうと要するにある部分ではとても美しいお話ではあるんですね。でもその辺に転がってるお話でもあるんですね。なんかそういうようなことでね、なんか空間に置きたいみたいなね気持ちがねとっても私の中でするんですね。

倉田:私は、非常に生き生きして、松岡先生の和訳を読んでいて楽しいです。ロミオとジュリエットはただ若さっていうことで、地に足が着かないっていう部分もあるんじゃないですかねぇ。
お二人のお話しを伺っていて、どんどんまたアイディアが沸いてきました。これからのスタッフミーティングにさっそく活かしたいと思います。今日はありがとうございました。





◇演出/倉田 淳
スタジオライフとしてシェイクスピア シリーズ第2弾が「ロミオ&ジュリエット」なんですけれども、今日先ほど先生方と色々お話させていただいた中で、私の中でいろんなものが動き始めまして、どのように舞台に反映させていくか、つけていくか、頭がもういっぱいの状態です。
ロミオとジュリエットに関しては、愛と憎しみであり、生と死であり、そういう対極の究極が際立ってきちんと両極端な舞台の上で展開されていったら力強いロミオとジュリエットになっていくんではないかなと今思っています。
シェイクスピアの時代では、女優というものがこの世に存在しなくて、男優だけで芝居をやっていて、まだ声変わりする前の細い少年がだいたいジュリエットとか女性をやっていたんですね。スタジオライフも男優だけで構成されている劇団で、これはシェイクスピアがかつて古のときに男ばかりでやっていたという道をお借りしたその中で、男優ばかりでがっつり芝居に組んでいるということが表現させていただければ、これほどの幸せはないなと思います。

◇ジュリエット/舟見 和利
まずジュリエット役に決まったとき、あの有名な台詞“ああロミオ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの”という台詞を僕が言ってしまうんだなと思って正直顔がニヤけてしまったんですが、一生に一度の恋に命を捧げたジュリエットを僕が愛を込めて心を込めて演じたいと思います。そして舞台上で最高の恋愛をしたいと思います。
ロミオを愛して愛して愛してそしてどこまで心の狂気を出せるかが僕がジュリエットを演じるテーマです。


◇ジュリエット/松本 慎也
僕はまさかあの有名なバルコニーのシーンを自分が演じる日が来るとは夢にも思っていなかったので、本当に幸せな気持ちでいっぱいです。僕はバルコニーのシーンが大好きで、映画でも舞台でもロミオとジュリエットを見るとあのバルコニーのシーンの2人のすごい究極的な感じっていうか喜びにいつも感動してるんですが、あの歓喜の瞬間があるからこそ最終的に死へと突っ走ってしまう究極的な愛へと繋がっていけるんだと思うので、本当にその瞬間、瞬間をジュリエットとして生きて、ジュリエットの持つ溌剌とした若さだったり、若さゆえの衝動だったり、純粋な強い愛を、男性が女性を演じるといううちの魅力をいかしつつ、本当に真摯に役に取り組んでいきたいと思います。


◇ロミオ/岩崎 大
今年の5月に劇団スタジオライフに入団して、そして役者を始めて10年目という節目を迎える舞台でこのロミオとジュリエットというのをやらせていただけて、すごく僕は幸せに思ってます。そのロミオの愛と憎しみとそれを力強く自分のできる限り限界に挑戦して努めていきたいとおもいます。


◇ロミオ/荒木 健太朗 
初主演でいきなりタイトルロールというものすごく大きなプレッシャーとともに役者としてこの役を演じられるということに、楽しさとワクワク感を感じています。先輩たちにも死ぬ気でやれと言われ、僕もそのつもりで取り組もうと思って挑みつつもロミオという役をしっかり演じたいなと思います。


◇ティボルト/高根 研一
ロミオとジュリエットという作品をやるということを聞いて、このティボルトという役をすごくやってみたいなと前々から思っていたので役が決まったときには本当に嬉しかったです。みなさんに喜んでいただけるような舞台を作っていけたらいいなと思っております。


◇ティボルト/奥田 努
ティボルト役をやらせていただきます奥田努です。この作品は色々なところでやられていると思うんですけれども、僕がティボルト役ということで自分の信じた、自分らしいティボルトを演じられるように楽しんでやっていきたいと思います。よろしくお願いします。


◇マキューシオ/坂本 岳大(客演)
昨年の「夏の夜の夢」に続いてシェイクスピア作品で、Studio Lifeに客演させていただきます。このロミオとジュリエットの作品の大きなテーマというか要になるところに若さというのがやっぱりあると思います。ロミオとジュリエットのピュアな恋愛を軸に書かれている作品ではありますが、他の登場人物の中にも駆け抜けていく躍動感というか、若さと、ある種の猥雑さとかいろんな面が含まれている作品だと思っています。そういうものを一つ一つ大切にして自分の役を全うしていけたらいいなと思っております。スタジオライフはダブルキャストの公演がとても多くて、私は今までダブルキャストっていうのはやったことがなかったので、昨年の夏の夜の夢の時には同じ台本で同じ演出をやっているのにもかかわらず、俳優が代わるとこんなに作品が変わるんだなっていうのを自分で実体験してそれが私にとっては今まで経験のなかったすごく刺激的なものでした。今回もダブルキャストですので、いい意味で相手チームというか両チームを意識しつつそれぞれの形になっていければいいなと思っております。


◇マキューシオ/曽世 海児
マキューシオという役読み返せば読み返すほどシェイクスピア作品に盛り込まれているいろんな要素というのの中でも、本当になんかとらえどころがないところから、豪快なところからとてもいろんな要素が盛り込まれいるなと感じまして、今回演じさせていただけるにあたって自分の中では軽快さと豪快さと両面を行ったり来たりしながら駆け抜けていく役として成立できればいいかなと思っております。精一杯演じさせていただきたいと思います。


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